初めての方へ

「ここが痛い」「ここが苦しい」――。

患者さんが訴える痛みや苦しみの内容は、実に様々、千差万別ですが、当歯科医院は、患者さんが「今まさに訴えているその痛み」を鎮める処置を、最優先にしています。

痛みを鎮めることを考えつつ、原因も考える歯科治療を

例えば「右の奥歯が痛い」と言ってこられた、初診の患者さんがいらっしゃるとします。

この訴えを受けた歯科医師が一体どんなことを考えるかというと、大まかには2つのことを考えます。

まず一つは「どうすればこの痛みを鎮められるだろうか?」ということ。

そしてもう一つは「この痛みは一体どこから来ているのだろう?」ということです。

患者さんはとにかく「今のこの痛みを止めてほしい!」と思っているはずです。

「奥歯のどのあたりが痛いですか」「どれくらい痛みますか」――そんな質問を的確に投げかけながら、1秒でも早く、その痛みを取り除くための方法を考えます。

しかし歯科治療では、痛んでいるところとは違う部分に原因があることもよくあります。

例えば奥歯の痛みでも、歯自体ではなく、歯肉の奥深くで増殖した歯周病菌が原因だったり、全体のかみ合わせが原因だったりすることなどもあります。

歯科治療は痛むところだけ治せばいいとは限らないのです。

「この痛みは何が原因で、一体どこから来ているのか」――そこまで考えながら処置しないと、患者さんの根本的な苦痛はなくなりません。

そこまで考えての歯科治療を提案しますから、安心して受診に来ていただきたいのです。

大まかな歯科治療の流れ

①受付

ここで健康保険証をご提示ください。

②問診票記入

受付で問診票をお渡しします。

どこがどうお悪いのか、ペンでご記入いただきます。

③待機

リラックスした雰囲気の待合室でお待ちください。ですがさほど長くお待たせしません。

④主訴(しゅそ=その時点での「ここが痛い」「ここが腫れている」などの訴え)をお尋ねします

まずは問診票に記入していただいた主訴について、いつ頃から、どんな痛みや腫れがあるのか、それが初めてなのか――といったことをお尋ねします。

⑤レントゲン写真を撮影します

レントゲン室に入っていただき、X線でレントゲン写真を撮ります。

歯肉に隠れた部分まで見通せるので、初診の方の8割以上は、この時点でだいたい原因が分かります。

⑥その時点で考えられる原因をお話しします

記入いただいた問診票とレントゲン写真をもとに、考えられる原因をお話しします。

そのうえでどういった歯科治療が必要か、レントゲン写真などを交えながら、丁寧にご説明します。

⑦主訴に対する歯科治療を行います

まずは、患者さんが「痛い」「腫れている」と訴えた部分の処置・治療を行います。

そのことで、患者さんの訴えに直接的にお応えします。

⑧主訴以外の部分の歯科治療にも入ります(※必要性が見つかった場合、後日)

患者さんが「痛い」「腫れている」と訴えた部分だけが歯科治療の対象とは限りません。

患者さんのお口を拝見すると、ほかにも虫歯や歯周病などが見つかるケースが、たくさんあります。

ほかに見つかった悪い部分をご説明し、患者さんの同意が得られれば、その部分の歯科治療も行います。

早く治療を施し、口腔内を健康な状態に保っていただきたいためです。

ごあいさつ

スタッフ一同ご挨拶

当院は、「痛みゼロ」「トラウマゼロ」を目指して努力をする、佐賀県鳥栖市の歯科医院です。2022年に開業からまる34年を迎えました。

治療の時には、できるだけ痛みを感じさせない努力をすること。

そして、できるだけ歯や神経を傷つけない方法を選ぶこと。

さらに、歯科医院へのトラウマを植え付けないように対処すること。

これらを日々心がけて患者さんに向き合っています。

痛み、傷、トラウマ――こういった患者さんの大敵を打ち消して、患者さんが歯医者に向かう足取りを軽くしたい、といつも考えています。

私は若い頃、「破壊されたものを構築していく」ことを歯科医師の一つの使命と考えていました。

例えば、虫歯や歯周病などでやむなく患者さんの歯を抜いたあと(「破壊」)、そこに義歯などの方法で新たな歯を作ることで(「構築」)、見た目はもちろんのこと、痛みをなくしたり、口の機能を良くしたりすることができます。

すると患者さんの悩みが一つなくなり、表情が明るくなり、生き方そのものが前向きになります。

それは歯科治療する歯医者としてもとても幸せなことだ、と思っていました。

ですが、これには一つの問題点があります。

それは「破壊」が前提になっていることです。

多くの方にとって、抜歯などの歯科治療は嫌ですし、怖がる方もいらっしゃいますが、その嫌悪感や恐怖感があまりにも強いために、歯医者をいつまでも敬遠している方が多いという現実に、私は徐々に気が付くようになりました。

そういう方々は、痛みがひどくなってもなかなか歯科医院にかからず、結果的に症状を重くしてしまう傾向があります。

もっと早くに手を打てていれば、そもそも「破壊」をせずにすんだかもしれないのに……。

 

こうした経験を何度も重ねるうちに、私は、そもそも「破壊」しないための「予防」を重視するようになりました。

病気がひどくなってから初めて歯科医院に来ても、効果的な治療はあまり期待できません。

むしろふだんから定期的に歯科医院に通って虫歯や歯周病などの対策をし(「予防」)、仮に何か異常が見つかっても、後手に回ることなく素早く解決する。

これが歯科治療の理想だと思うのです。

でもそのためには、患者さんが歯医者に対して偏見を持たず、ふだんから安心して通院していただける環境作りが必要です。

私が歯科医師免許を取って40年近くたちますが、若いころは患者さんに「私は歯医者が嫌いだ」と面と向かって言われ、ショックを受ける経験を何度もしてきました。

今でも歯科医院が嫌いという患者さんは多いのは、重々わかっています。

しかし嫌いになってしまったばかりに歯医者に行く足が遠のき、歯科治療が遅れてしまっては何にもなりません。

だからこそ当院は「痛みゼロ」「トラウマゼロ」を歯科治療の目標とするようになったのです。

もちろん医学的には、完全なゼロを保証できるわけではありません。

しかし限りなくゼロに近づけるために、町の歯科医師としてこの三つは地道に努力しなければならない、永遠のテーマです。

私たちは、丁寧に歯科治療します。

あなたがこれ以上、歯医者を嫌いにならないために。そしてこれ以上、あなたの歯を悪くしないために。

どうぞ、肩の力を抜いてうえだ歯科・矯正歯科クリニックへお越しください。