初診の患者さんへ

「とにかく痛みを取ってくれ! それだけでいいから!」 

初診で来られた患者さんに、よく訴えられるのがこれです。

わざわざ歯科医院に来られたということは、たいてい痛みに耐えかねているということです。
それは院長の私もよくわかっています。ですから当然、痛みをとる処置を最優先します。

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しかしそれで終わりだと思わないでいただきたいのです。
痛みというのは、あくまで症状が起こった一つの「結果」にすぎないのです。

痛みをおさえれば、それで症状が全て治るわけではありません。
痛みを消しつつ、その症状を引き起こした原因を突き止め、その原因を打ち消す必要があります。

そのためには、様々な治療や処置が必要となるケースがほとんどです。
ただ「痛みをとるだけ」のことを、治療とは言いません。少なくとも私はそう考えています。

治療はたいてい一日ですまない

まず初診の方には問診票を書いていただき、レントゲン写真を撮ります。
これには数分かかります。そうこうしている間も、きっとズキズキ痛むことでしょう。

でもレントゲン写真を撮れば、多くの場合、その痛みを引き起こす原因がみえてきます。
その原因を突き止めたうえで、まず痛みをおさえる処置に入ります。

ただ多くの場合、痛みの原因は、虫歯や歯周病だったり、かみ合わせの悪さだったりします。
虫歯も歯周病も、あるいはかみ合わせも、その日一回の治療だけではなかなか治せません。

どうしても何回か歯医者に通っていただかねばならない、というケースがほとんどです。
「困った時だけの神頼み」はやめ、腰をすえて本当にいい歯作りに取り組んでいただきたいのです。

 

痛みの位置が分かりにくいことも

また少し厄介ですが、歯が痛んでも、必ずしも痛む場所に原因があるとは限らない場合があります。

例えば、下の歯が痛くても原因が上の歯にあったり、歯肉が痛くても歯本体に原因があったり。
あるいは歯ではなく、歯を動かすあごの筋肉に原因があったり、などということもあります。

痛みというのは、その原因となっている部分を越えて広がっていくことがよくあります。
痛みが広がることを「放散性」といいますが、特に痛み始めてまもないころによくみられます。

数日単位の時間を置くとその放散性が治まり、本当に悪い場所がわかってくる場合もあります。
しかしそのために数日待ってくれとはとても言えませんから、その場でできる範囲のことをします。

ただ悪い場所をすぐに「決め打ち」してかかれないことがある、と知っていただきたいのです。

こんな患者さんがおられました

30歳代女性。「右側の上下の歯が2~3か月前から痛む」と言ってこられました。

その患者さんは銀歯を被せておられましたので、銀歯の接触などが原因か?とも疑いました。
しかしレントゲン写真を撮っても、そのような接触はない。一見して問題点は見えません。

原因がよく分からないまま、とにかくお口を開けていただき、丹念に歯を一つ一つ調べました。
すると下の銀歯の内側に虫歯があり、そこで歯がかなり溶けてしまっていることが分かったのです。

私の実感としては、レントゲンを撮れば8~9割くらいは原因がわかります。
しかし逆に1~2割は、レントゲンでもすぐにわからないことがあります。

事実、銀歯の内側などはレントゲン写真には映らないのです。
そうなると、院長が一つ一つの歯を直接丁寧に見ていくしかない。そこには手間暇が欠かせません。

痛い場所を突き止める作業だけでも、決して短時間ではいかない場合があるのです

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