歯磨き粉の選び方~歯科医のおすすめする6つの歯磨き粉

歯周病や虫歯を治せる歯磨き粉はないの?――そう聞かれる患者さんは、実のところ多いです。

それだけ歯磨きに対する期待値が高いのだなと、患者さんから聞かれるたびに、いつも感じています。

 

しかし、歯科医師として一言申し上げますと、残念ながら虫歯や歯周病を「治せる」歯磨き粉などは存在しません。

そもそも、なぜ虫歯や歯周病になってしまうのかといいますと、大前提として「歯の汚れ=プラークや歯垢」があります。

 

プラークや歯垢を落とすには、歯ブラシを使って「磨く」という作業を行わなければ、歯の汚れは落ちません。

あくまで、歯ブラシが主役であり、歯磨き粉はその脇役と思っていただければ結構です。

 

・関連記事:「大人向け~正しい歯磨きの方法」https://ueda-dental.info/columns/brushing-for-adult/

・関連記事:「子ども向け~正しい歯磨きの方法」https://ueda-dental.info/columns/brushing-for-children/

 

そんな「脇役」の立ち位置である歯磨き粉ですが、歯ブラシでは絶対にカバーできない部分があります。

それは「優れた薬用成分」です。

 

当院では、スタッフ間で実際に試し合い、しっかりとした科学的な裏付けにもとづく歯磨き粉のみを取り扱っています。

本項ではそんな「名脇役」である歯磨き粉について、症状別にどういったものを選べばよいのかお話ししていきます。

 

虫歯リスクをさげるにはやっぱりフッ素

 

虫歯予防には、皆さんがよくご存じの通り「フッ素」が有効です。

歯科医院で塗布する高濃度のフッ素も効果的ではあるのですが、フッ素は継続してこそ意味を成します。

 

なぜならば、歯は食べ物を召し上がるたびに、常に脱灰(酸により歯が溶け出すこと)と再石灰化(溶け出した歯を元に戻す力)をくり返しています。

 

フッ素は、虫歯菌の活動を抑え込むという役目と、再石灰化を促し歯の質を高める効果があります。

 

したがって、毎日見えないレベルで虫歯菌と戦っている歯に対して、フッ素という栄養補給を与えて傷を癒やしてあげるーーフッ素に期待することは、そのようなイメージです。

 

 

虫歯予防の歯磨き粉 その➀ 「コンクール ジェルコートF」 

 

コンクール ジェルコートFは、研磨剤・発泡剤が無配合です。

特にオススメしたいのが、歯周病などによって歯の根っこが露出してきた方の虫歯(専門用語では根面カリエス)の方です。

 

根面カリエスになっている歯の根っこの部分は、エナメル質と違って柔らかいので、出来るだけ歯を削らせない成分(研磨剤無配合)の歯磨き粉がいいからです。

 

薬用成分にはフッ素が950ppmと、塩酸クロルヘキシジンという非常にすぐれた殺菌剤も入っています。

 

虫歯予防の歯磨き粉 その② 「チェックアップスタンダード」

 

こちらの歯磨き粉は1450ppmフッ素配合の歯磨き粉になります。

 

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、2017年3月、厚生労働省から歯磨き粉に含まれるフッ素配合量の上限に変更がありました。

これまでは1000ppm以下が上限だったのですが、それが1500ppm以下となりました。

 

この規制緩和によって、フッ素中毒症など気にされる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ISO(国際標準化機構)では、以前から1500ppmのフッ素入り歯磨き粉の使用を許可しています。

 

つまり、日本がやっと世界水準レベルに追い付いたという話です。

 

仮に成人した方が1500ppmフッ素配合歯磨き粉を1g(1回分の使用量)すべて飲み込んでしまったとしても、フッ素中毒症にはなりませんので、どうぞご安心してお使い下さいね。

 

子どもさんには「チェックアップこども」がオススメ

 

6歳以下のお子さんには、誤飲の可能性があるので、フッ素配合が低濃度タイプ(950ppm)のものをオススメしています。

 

歯周病で腫れた方にマッサージと引き締め効果

 

こちらの歯磨き粉は「コンクール リペリオ」といって、前述した「コンクール ジェルコートF」と同様に研磨剤・発泡剤が無配合で歯ぐきにもやさしいです。

したがって、歯ぐきが腫れてしまった方などのマッサージ用にも適しています。

 

また、歯ぐきを引き締める効果のある塩化ナトリウムや、歯周病でハリを失った歯ぐきに弾力を与え回復をサポートするOIM加水分解コンキオリンが配合されています。

 

ホワイトニング効果ある薬用成分で歯を白く

 

こちらは、「ルシェロホワイト」といって「歯にやさしい」と「しっかり着色除去」を両立した歯磨き粉です。

 

エナメル質より柔らかく細かい粒子で出来ているので、歯を傷つけないように配慮されています。

また、たばこのヤニなど着色のもとを溶かし出してくれる、薬用成分のポリエチレングリコール(PEG)400が配合されています。

 

もちろん、フッ素も950ppm配合されています。

 

インプラントに特化したフッ素無配合の歯磨き粉 

 

こちらは、「ジェルコートIP」といってフッ素は無配合になっています。

なぜかというと、フッ素はインプラントの土台であるチタンを腐らせてしまうからです。

 

「フッ素がないと虫歯が心配だ」

こう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、ご安心を。

フッ素の代わりに、塩酸クロルヘキシジンという薬用成分が配合されているので、虫歯や歯周病菌の殺菌効果があります。

【参考サイト】

・ウエルテック製品情報(https://www.weltecnet.co.jp/concool/products/

・ライオン社 HP(https://www.lion-dent.com/client/products/basic/checkup_s.htmhttps://www.lion-dent.com/client/products/basic/checkup_k.htm

・eヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-007.html

・公益財団法人日本医療機能評価機構(https://minds.jcqhc.or.jp/

・GC社 製品情報(https://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/1459/

・奈良県歯科医師会(https://www.nashikai.or.jp/hm/hano_a13.html#q1

・デンタルダイアモンド(https://www.dental-diamond.jp/qa/17/ippan1711.html

 

 

 

<これを書いた人>

上田 昭彦(うえだ・あきひこ、Akihiko UEDA)

1955年12月佐賀県武雄市生まれ。いったん理工系の大学に入るも中退し、82年福岡歯科大卒、同時に歯科医師免許を取得。92年歯学博士号を取得(九州歯科大)。同県鹿島市や那覇市での勤務を経て、88年6月に鳥栖市に「うえだ歯科医院」を開き、現在に至る。