「歯が黄ばんでいる」「もっと白い歯にしたい」――いままで歯科医師をした経験上ですが、そう願う患者さんは、今も昔も多いです。
本来は「サーモンピンクの歯肉」と「白い歯」の組み合わせが、いちばん似合うのです。
しかしコーヒーや紅茶、ワイン、たばこといった生活習慣が、いつしか歯の色を変えてしまいます。
毎日の歯磨きをしていても、長い時間をかけて、色素は歯の中に沈み込んでしまいます。
そして気がついたときには、激しく黄ばんでしまい、どうにも色が落ちなくなっている。
その結果、自信を持って人に歯を見せられなくなり、人前で笑えなくなったり口元を隠したり――。
それはその人の人格形成にも影響する、根が深い問題だと当歯科医院は考えています。
しかしこうした深刻な「色素沈着」に立ち向かう歯科診療の手段は、もちろんあります。
まず、第一段階として「PMTC」、次の第二段階として「ホームホワイトニング」があります。
それでも十分に効果が得られない場合の第三段階として「ラミネートべニア」というのもあります。
この項ではまず、第一段階の「PMTC」についてご説明します。
PMTCとは
PMTC(Professional Mechanical Tooth Clinic)とは「専門的機械的歯面清掃」のことです。
まず歯の表面に重曹を吹き付け、しつこくこびりついていた色素を落とします。
これによって、歯はかなり白くなります(下左写真が治療前、下右写真が治療後)。
そのうえで、超音波の器具を(場合により手動の器具も)使って、たまった歯垢を落とします。
機械を使って行う、歯科医師ならではのハイレベルな歯磨きと考えていただいてけっこうです。
歯の色が改善するだけでなく、表面がツルツルと気分良くなる、とおっしゃる方が多いです。
ふだん患者の皆さんは、歯ブラシでしか歯磨きをなさらないでしょうから、この効果は抜群です。
また虫歯や歯周病などで、何回にもわたる治療を終えた患者さんのアフターケアとしても、この歯科診療方法は有効で、数か月後の来院をお願いした際は、当院はこのPMTCを実施しています。
ただそれでも、患者さんによっては、色素が十分に落ちたという効果が実感できない場合もあります。
そのときは、第二段階として「ホームホワイトニング」に進みます。